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タップ切り
2006/7/24
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機械にはネジが多用されています。
機械には熱や振動がつき物ですから、ネジもだんだんと痛んできます、そして折れたりすることも良くあります。
場所によって熱が原因の折れこみ、振動による折れこみと、ネジが折れる要因は様々で、いろいろな要因が原因で折れることもあります。
振動だけで、折れこんだネジは意外と処理しやすく、熱が原因だと結構大変になります。
今回は、熱と振動、錆びが原因のネジの折れこみです。
ブロワのマフラーボルトの折れこんだネジを除去します。
青い矢印のところにマフラーボルトが折れこんでいます。
キャブレター側のボルトが折れることはほとんどありませんが、マフラーボルトが折れることは結構あります。

やはりマフラー自体が高熱になりマフラーボルトに熱が伝わるので劣化しやすいのでしょう。

マフラーボルトの折れこみが一番面倒な場所だと思います。
失敗するとシリンダー交換となりますので、大変です。
またマフラーボルトは硬くドリルで穴を開けるのも大変です。

マフラーボルトの折れこみを取り除く修理(タップ切り、ヘリサート加工)は本来当店でも受け付けていません。
当店購入製品に限り、また失敗してもいいよというお客さんに限って受け付けています。
青い矢印のポンチなどで最初に折れこんだボルトの中心に凹みをつけます。

最初から強くたたくのではなく軽くたたくようにし、できるだけ中心に凹みをつけることを心がけてください。

そして徐々に凹みを大きくするようにすれば中心が大きくずれることはないと思います。

この凹みにドリルの先端を当てます。
最初はできるだけ細いドリルで始めるのが良いでしょう。
そして徐々にドリルの径を大きくするといいと思います。
赤い矢印の工具はタップを切る工具ではなく、折れこんだボルトを回して取るための工具です。
折れこんだボルトの中心にある程度の大きさの穴ができたときに、その穴へ差し込んで、ボルトが抜けるほうへ回転させ抜くということです。
この工具は逆ネジ状になっていてうまくいくとボルトにあけた穴に引っかかりボルトを回すことができるのです。

振動だけで折れこんだボルトの場合はほとんどこれで抜くことができます。
しかしマフラーボルトのように熱や錆びがかかわってくるとまずこれで抜けることはないでしょう。
相当大きな穴をマフラーボルトにあければ何とかなると思いますが・・・

今回もボルトの中央にきれいに穴をあけることができ、かなり穴を大きくすることができましたが、ボルトをまわして取ることができませんでした。
ボルトがくっついていてまわせなかったのです。
錆び付いていたのかもしれません。
上の写真の青い矢印の工具がタップを切る工具でそれを使いシリンダーにねじ山を新たに作っていきます。

左の写真が出来上がったものです。

持っているタップのネジ山が狭いタイプのもので、本来のネジ山とは違いますが、マフラーを抑えることはできるでしょう。
ちょうど良い長さのボルトがなかったので、ナットをスペーサー代わりにして長さを調節しました。

不恰好ですが、これでもしっかりとマフラーを抑えているので問題はないでしょう。
今回の修理ではタップを切るだけですみましたが、中にはヘリサート加工をしなければならない場合もあります。
ヘリサート加工とは、タップをヘリサート用の少し大きめのものでネジを切りそのネジ山をスプリング状のヘリコイルというものでネジ穴を小さくして元のサイズのボルトを使えるようにするものです。
さて、話は変わりますが、これらの写真の排気ポートをご覧ください。
カーボンやすすなどがほとんどたまっていないでしょう。
ハスクバーナの50:1混合オイルを使用しています。

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