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ヘリサート加工
2006/9/24
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チェンソーや草刈り機は軽量化をはかるため、アルミダイキャストやマグネシウムダイキャスト、プラスティックを多用しています。
軽くて丈夫ですが、やはり分厚い鋼鉄製と同じくらいの強度があるとは思えません。
特に5mm前後のネジ山などは力強く締めると、ねじ切ってしまうこともあります。

そのように、ネジ山をこわしてしまった場合などに、そのネジ山を修復する方法があります。
ヘリサート加工といいます。(他にも色々と呼び方はあるようです。)

ヘリサート加工の一例を紹介します。
青い矢印のネジ穴を、ねじ切ってしまっています。
上記写真左下のネジ穴の拡大
ネジ穴が軽くつぶれているだけならば、タップを切るだけでネジ山は再生することもあるのですが、このようにネジ山が切れてしまた場合はヘリサート加工しなければなりません。
ヘリサート加工用のタップ切りです。
一番上に矢印のタップは途中から折れていますが、これはわざとこのようにしています。

タップは中間あたりが一番径が大きくなっています。
下の青い矢印。
タップをこのような工具に、取り付けます。
そしてネジ穴を切っていきます。
ネジ穴に垂直に立て、切っていきます。
タップを切るときは、タップ切りの径が大きいところが、貫通するまでねじ込んでいきます。
写真のように、このくらいまで差し込んでいきます。

するとネジ穴の径が上から下まで、すべて同じサイズになっています。

次に大きくなったネジ穴に、ヘリコイルという物を取り付けます。
これでネジ穴の径を元のサイズに戻します。

ヘリコイルには径のサイズだけでなく、長さのサイズもあります。
ネジ穴の厚みによって使い分けます。
次にこの工具を使って、ヘリコイルをネジ穴に取り付けます。
ヘリコイルは片側だけ輪のセンターに向かって折り曲げられています。
ひらがなの「の」字状になっています。

この部分は取り付けが終わったら、折り取ってしまいます。
青い矢印のところを、合わせる。
合わせたところ。

この工具の先端の内側にはネジガキってあります。
ここまで、きたらヘリコイルを回しながら、この工具の先端まで移動させる。
ヘリコイルを先端まで移動させたところ。
ヘリサート加工用のタップを切ったネジ穴にセットします。
そして右に回しながら、ヘリコイルをネジ穴に挿入していきます。

最後まで挿入できたか、確認して、OKならば一度逆に回します。
逆に回すことによって、ヘリコイルの先端「の」字状の部分を折り取ります。
取り付け完了。
きれいに取りつける事が出来ました。
元上るとが取り付くかどうか、確認します。
うまく取り付きます。
次は、ここも同じように取り付けます。
ここは、青い矢印の部分がじゃまをして、タップを貫通させることが出来ません。

そこで、秘密兵器のタップを使用します。

タップさえ切れれば、ヘリコイルの装着は同じです。
今回のように、ヘリサート加工はすべてうまくいくわけではありません。ボルトが折れ込んでいたりするときは、失敗する確率の方が高いこともあります。
ネジ山の崩れ方にもより、出来ない場合もあります。

すべてのネジ山を修復することは出来ませんし、修復しやすいネジ山やしにくいネジ山などがあり、すべてがうまくいくとは限りません。

ですから当店では、ヘリサート加工をする場合、お客さんにその旨お伝えしています。
失敗してもかまわないという了解を得て、ヘリサート加工を受けています。
それでもプロかと怒られるかもしれませんが、状態によって困難な場合が多々あります、ご理解ください。

また、面倒ですし、ヘリサート加工などせずに部品を交換する、販売店もあるくらいです。

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