スチールのスタートシステム |
スチールにはイージースタートシステムとして様々な機構があります。 スムーズなエンジン始動を助けるためのものです。 パージャーポンプ、デコンプ、エラストスタート、エルゴスタートなどがあり、チェンソーはそれらのシステムを複合的に採用してスムーズなエンジン始動の効果を高めています。 |
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◆パージャーポンプ いわずとしれた、ポンプのことです。 プライマリーポンプともいわれ、燃料タンクからキャブレターまで燃料を送り込みます。 このおかげでスターターロープを引く回数がずいぶん減ります。 小排気量の機械に効果が高く、小型チェンソーや草刈り機に取り入れられています。 排気量が大きいと燃料の吸い上げの力も強くパージャーポンプがあまり必要にならなくなるからでしょう。 |
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◆エラストスタート メンテナンスのところでも少し説明しましたが、スターターグリップの中にスプリングが仕組まれていて、スターターロープを引く時のショックを和らげます。 新品でエンジンパワーがある機械ほど、圧縮が強く左図の黒い折れ線のように、ショックを感じます。 それをスプリングの力で和らげます。 |
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◆エルゴスタート クランクシャフトとスターターロープ間に追加されたスプリングにより、非常に容易で軽快なエンジン始動が出来ます。 ロープローター(リール)の中にスプリングゼンマイを仕込み、スターターロープを引いてもすぐにクランクシャフトを回してしまわず、圧縮を越える力が蓄積されて初めてクランクシャフトを勢いよく回します。 スターターロープを勢いよく引く必要がなくスターターロープを引くスピードを2/3減らすことが出来ました。 ※草刈機のポップスタートも若干違うところもありますが、ほぼ同じ仕組みです。 |
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◆マイクロプロセッサーイグニッション (自動進角・遅角付きCDIマグネト) 始動、アイドリング、作業回転、高速回転で最適な点火タイミングにより、エンジン性能を100%引き出します。 火花の放出時間の持続と燃料の燃焼効率を上昇させます。 ケッチンのないスムーズなスタートを実現しました。 |
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◆オートデコンプ 4MIXエンジンにはオートデコンプレッションバルブが搭載され、始動時にデコンプが自動的に燃焼室の圧縮力を弱めるため、スターターロープの引っ張り力が少なく、容易にエンジン始動ができます。 |
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◆排気デコンプ シリンダーの排気ポートの上にある溝によって、低速で始動するときに圧縮率が低減され、これまでより少ない引力で始動できます。 |
このように、エンジン始動が容易になるように様々な工夫が施されています。 一昔前のチェンソーから比べるとずいぶんとエンジンのかかりがよくなったと思います。 |